一生結婚をしないで独身を貫く生き方を選択する人も増えていると思います。でも最近、その考え方は親不孝だったのかもしれないと悩んできました。
先日母親が他界しました。父親を亡くしてから、母親とは2人暮らしでずっと母親の介護をしてきました。
昔から母親の体が弱かったため、私は結婚をしない、一生独身でいようと若いうちに決めてました。親不孝と言われないように、仕事をしながら一生懸命に母親を支えてきました。
母親は「いつもありがとう、あなたが子供で幸せ。」と喜んでくれていたし、私も母親の最期を看取れて幸せだし、親孝行もできたかなと思っていました。
しかし先日、離れて住む妹(既婚)から「お母さんは、お姉ちゃんが結婚をしないことを寂しがっていた。親不孝だよ。」と言われました。
母親が私の結婚を望んでいたという話をはじめて聞き、「結婚してほしい」という母の望みを叶えられなかった私は、親不孝だったのかとショックを受けています。結婚しない一生独身の娘は、親不孝なのでしょうか?ずっと心の整理がつかず、悩み続けています。
〇〇さんは、お母様からとっても愛されていたんですね。お母様は〇〇さんに見届けてもらえて、とてもとても幸せだったと思いますよ。
最期までずっと一緒にいてくれて嬉しかったのではないでしょうか。お母様としては、感謝してもしきれないくらいの親孝行をしてもらったと心の底から思っているはずです。
お母様の「あなたが子供で幸せ」という言葉に嘘はない、本物に間違いないと思いますよ。
一方で、お母様が妹さんに言った「○○さんが結婚をしないことを寂しがっていた」というお気持ちは、本当かもしれませんね。
親は子供の幸せを願うもの。○○さんの幸せを考えて「結婚して欲しい」と考えるのは当然かもしれません。
ただ、それはお母様が考える幸せです。〇〇さんの幸せではありませんよね。「結婚=幸せ」というわけでは決してないですよね。未婚でも幸せな人はたくさんいますし、結婚しても不幸せな人もたくさんいますから。
お母様は「結婚して、〇〇さんが生まれて育てられた人生」が、とても幸せだったのではないでしょうか。当然ですが、お母様は結婚した人生しか歩んでいません。未婚でも幸せということについて、頭では理解できても、心から理解するのが難しいのかもしれませんね。
他の人生を歩めない以上、自分の人生経験の中から幸せの定義を判断してしまうのも仕方がないことかもしれませんね。
そしてお母様からすると、子供が結婚をしていないと、自分がまだ何かやり残しているものがあるような気持ちになってしまうのかもしれませんね。結婚という行事があると、自分の仕事が無事に終わったなという安心感で、ホッとするのかもしれません。
でもだからといって、親に安心感を与えるために結婚するのは、本末転倒ですよね。〇〇さんが幸せに過ごしていることが、一番なのですから。
〇〇さんが自分の人生に、誇りと自信と幸せを持てていたら、もしかすると妹さんからの言葉もサラッと流せていたということはないでしょうか。
心の奥底で、自分自身が「親不孝をしてしまっているのかもしれない?」と思ってしまっていないでしょうか。人は、自分が気になっていることだけが耳に残るようにできているものですよね。
そういう意味でいうと、「親不孝だったかもしれない」と悩むことが、一番の親不孝なのかもしれないですよ。〇〇さんが人生を楽しんで、幸せを感じること。それがお母様の一番の幸せ。お母様のことを考えるのであれば、あまり周囲の意見に惑わされずに、まずは自分のことを優先するのが大事かもしれませんよ。
親孝行はどこまでしたら、できたことになるのか?満足なのか?そんな明確なラインがあるわけではないので、とても難しいですよね。そういう意味では、「なにができたか?」も、もちろん大切だと思いますが、「親の愛情をどう受け止められたか?」も大切かもしれませんね。
お母様の結婚をしてほしい(幸せになってほしい)というお気持ちを、真正面から愛情として受け止めてみてはいかがでしょうか?
ただ、〇〇さんの人生です。お母様の気持ちを否定せずしっかりと受け止めた上で、自分が幸せだと思う道を自分自身で決めていきましょう。
お母様の気持ちをしっかりと受け止めた上で出した結論であれば、お母様は心から納得されるはずです。それこそが、本当の親孝行なのではないかと私は思います。
「親不孝」とは、親の気持ちを真正面から受け止めないことを言うのではないでしょうか。幸せは、他人に左右される人生ではなく、自分が左右していく人生を歩んだ先にあると言いますよね。
自分自身で決断して進んでいく人生を、お母様は応援してくれると思いますし、その結果〇〇さんが幸せを感じている姿を見せることが、お母様への一番の親孝行だと思いますよ。
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