2019/04/02
2022/01/08
私とお母さんとの就活エピソードです。
振り返ると私の就活はダメダメでした。
今でこそ企業の採用担当として学生さんにアドバイスをしている立場なのでここだけの話ですが(笑)
主体性0、とにかく周りに流されまくり、仕事は私にもできそうなことから選ぶという消極的な仕事選び。
就活をはじめたのは3回生の秋は、自分から意識してはじめたというよりも友達の動きを見てなんとなく、というのが正直なところです。
学内で開かれた就活説明会に参加して「もしかして私やばい!?」と急に焦りだしたのを覚えています。
焦りだしたら不安になりすぎる性格で、自分が何をやりたいのかということはあいまいなまま、会社を片っ端から受けました。
そんな私の浅はかな志望動機は企業の人には見透かされていて、当然簡単にはうまくいきませんでした。
はじめてお母さんに就活のことを話したのは、第一志望の会社の2次面接を受けた帰り道のこと。
手ごたえを全く感じなかった私は、渋谷駅のハチ公を横目に見つつ、リクルートスーツで泣きながらお母さんに電話をかけました。
その時まで親には一言も就活のことは話したことがなかったのに、本当にピンチになった時に思いついたのはお母さんしかいませんでした。
「ここの会社に落ちたらもう就職できないかもしれない。どうしよう・・・」
うちのお母さんはずっと専業主婦なのでどうアドバイスをしたらいいのかわからなかったのだと思います。
私と一緒にオドオドするだけ、そして時折「ごめんね、お母さん何と言ったらいいかわからなくて・・・」と謝りながら話を聴いてくれました。
会話の詳細は覚えていませんが、お母さんが最後に一言、「もう就職辞めて実家に帰ってきたら?」と。
「そんなの無理に決まってるやん!」と怒って電話を切ったのはなんとなく覚えています。
当時の私は「お母さんに言っても何も解決しなかった」という思いと同時に、その一方で「本当にダメだったとしてもお母さんは私を否定しない」という安心感も確かに感じていました。
就職活動で不採用通知を受けると本当に自分が否定されたような気がします。
それが何通も何通も続くと自信をなくしますよね。
そんなとき自分をまるごと受け入れてくれるお母さんは唯一無二の存在です。
子供の就活で悩んでいるお母さんから「息子になんて声をかけたらいいのかわからない」と相談を受けることがありますが、お母さんはお母さんのままでいいんです。
一緒に右往左往する必要はありません。
就活で疲れて帰ったらいつもと変わらない日常がある、それが子供にとって一番リラックスできる環境です。
本当に困ったときはきっとお子さんの方から何かサインを出してきます。
少し話はずれますが、私は以前小売業で働いていた時に教わった用語で「動的待機」という言葉があります。
お客様に積極的に声を掛けていくと、1人でお買い物を楽しみたいお客様には迷惑になってしまうこともあります。
だからと言って、じっとお客様が声をかけてくるのを待っているだけだと見張られているようで買い物を楽しめなくなります。
ここで「動的待機」です。お客様がお買い物しやすいように自分の仕事をして「私は見てませんよ、自由に楽しんでね」という合図を送りつつ、
でもお客様のことは常に気を配りながら、お客様が話しかけたいサインを出せばすぐに笑顔で応える。
例えばキョロキョロしているとか、ずっと同じ場所で困っているように感じるとか。
お子さんにも「動的待機」で接してみてはいかがでしょうか。
いつものお母さん業をやりつつ、子供の変化が見られたら少しアプローチしてみるのはいかがでしょうか。
その時は「何かいいこと言わなきゃ」なんて必要ないので、まるごとお子さんを受け入れてあげてくださいね。
お母さんはお母さんがいいんです。